雑煮の由来
お正月の定番料理の一つ、雑煮。
お正月にはこれを食べないと始まらない、というくらい、習慣化されていますが、雑煮は古くから食べられてきました。
いつから雑煮が食べられたか定かではないのですが、もとは大晦日の夜に年神様にお供えし、元日の朝下げた後ごった煮にして、家族で食べていたということです(「年中行事読本」より)。
お正月三が日の朝の主食としてずうっと食べられてきた雑煮ですが、調べてみると全国にはいろ~んな種類の雑煮があるのです!
関東と関西にざっくりわけただけでも雑煮の作り方は違うんですね。
まずは関東の雑煮と関西の雑煮の作り方について、見てみましょう~。
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関東の雑煮と関西の雑煮の基本的な作り方
お雑煮は、餅と野菜を入れて、だしに入れ、煮立てますが、関東と関西では作り方がちょっと違います。
【関東】
- 鰹節でダシをとる
- 餅はさっと焼いて焦げ目を付けておく
- 鍋にダシと醤油を入れ、煮立ったら下茹でしておいた鶏肉、小松菜、薄切りしいたけを入れて煮立てる
- 煮立ったら餅を入れてもう一度煮立てる
【関西】
- 昆布で出しを取る
- 丸餅は柔らかく茹でておく
- 里芋はぬめりを取り、大根、人参は薄切りにして柔らかく茹でておく
- 鍋にダシを入れて沸騰したら火を弱めて白味噌を入れ、汁を作る
- お椀に野菜と餅を入れ、汁をよそう
うちは関東圏なので、お雑煮はかつおだしと醤油で味付けます。
でも、鶏肉じゃなくて牛肉を使いますし、野菜も小松菜だけじゃなくて焼き豆腐やネギも入れて、けっこうごちゃごちゃしています^^;
こんなふうに関東と関西にはっきりと分けられないのがお雑煮かもしれませんね。
それでは全国にはどんな雑煮があるのでしょうか。
ちょっと見てみましょう~。
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全国にはどのくらいの種類の雑煮があるの?
「全国お雑煮ガイド(農林水産省)」では、全国にあるお雑煮について幾つか紹介しています。
農林水産省のサイトと、ウィキペディアを参考にしてちょっと一覧にしてみますね。
雑煮の種類 | 使っている具 |
---|---|
くじら雑煮(青森県・兵庫県) | クジラの皮、にんじん、ごぼう、角餅+すまし汁兵庫県の場合はクジラの赤身と青菜 |
くるみ雑煮(岩手県) | あわび、いくら、大根、にんじん、ごぼう、角餅+すまし汁、甘いくるみだれ(餅につけて食べる) |
男鹿雑煮(秋田県) | ごぼう、長ネギ、角餅+すまし汁(ふぐやアジを焼いて出しを取る) |
仙台雑煮(宮城県) | 大根、にんじん、ごぼう、凍み豆腐、からとり、はらこ、かまぼこ、セリ、焼いた角餅+ハゼの焼干しで取ったダシ |
こづゆ雑煮(福島県) | 凍み豆腐、しいたけ、野菜+貝柱でとっただし |
下総雑煮(千葉県・茨城県) | 鶏肉、ごぼう、大根、青菜、人参、里芋、こんにゃく、角餅など+すまし汁 |
はばのり雑煮(千葉県) | 大根、里芋、焼いた角餅、あぶったはばのり+すまし汁 |
越後雑煮(新潟県) | 鮭の頭、大根、人参、いくら、ごぼう、銀杏、長ネギ、切り餅など+すまし汁 |
信州雑煮(長野県) | 塩ブリ、大根、三つ葉、人参、里芋、茹でた餅+味噌仕立て |
佐久地方雑煮(長野県) | ウグイの稚魚、セリ、焼いた角餅+すまし汁 |
福井雑煮(福井県) | かぶ、かぶの葉、煮た丸餅+味噌仕立て |
名古屋雑煮(愛知県) | 餅菜、煮た丸餅、花かつお+かつおだし |
白味噌雑煮(京都府) | 開きごぼう、親芋、小芋、なまこ、大根、あわび、炊いた丸餅+白味噌仕立て |
きなこ雑煮(奈良県) | 豆腐、大根、にんじん、里芋、焼いた丸餅+かつおだし、砂糖入りきな粉(餅につけて食べる) |
焼穴子雑煮(兵庫県) | 焼穴子、鶏肉、焼き豆腐、かまぼこ、大根、里芋、煮た丸餅など+白味噌仕立てまたはすまし汁 |
牡蠣雑煮(広島県) | 牡蠣、塩ぶり、輪切りにした野菜、煮た丸餅など+すまし汁 |
小豆雑煮(島根県) | あずき、煮た丸餅 |
博多雑煮(福岡県) | 塩ぶり、カツオ菜など+焼アゴで取っただし |
具雑煮(長崎県) | ブリ、エビ、鶏肉団子、里芋、人参、凍豆腐、青菜、かまぼこ、くわい、焼いた丸餅など奇数の具+すまし汁 |
ざっと挙げただけでも色とりどりといった、特徴的な雑煮が勢揃い!
その土地の特産品を使ったり、材料の語呂合わせや切り方に縁起をかついだりと、雑煮を調べているだけでとてもおもしろいです。
正月は寝てないで、全国各地のお雑煮を食べ歩きたくなりますね~(笑)
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雑煮100選なるものがある
お雑煮は、上に挙げただけではなく、都道府県、市町村、もしかしたらその家庭独特のお雑煮もあるかもしれないので、全国にある雑煮の種類は数え切れません(;・∀・)
そんな中、文化庁の「お雑煮100選」という本を見つけました。
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そうなんですよ、少なくとも全国には100のお雑煮があるということ!
もうびっくりですね~。
お雑煮は身近にある食べ物ですが、全国を見渡してみると、その土地その土地の文化が息づいているのがよくわかります。
自分たちが食べてきたお雑煮でいつものように正月を迎えるのもいいし、たまには違った味を、ということで、他の地方の雑煮に挑戦してみるのもいいかもしれません~。
そう考えると、正月の楽しみがまた一つ増えたかも^^